- こころの病の社会問題
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高校3年生の時に家族がアルコール依存症とうつ病のために亡くなった身近な実体験から、依存・うつというものが、死に直結する非常に危険な病であること、また誰もがなりうる病であることを実感する機会に直面しました。
依存はこころが弱いから陥る問題では決してありません。ただ、アルコールなど自分に悪影響を及ぼすもの以外に、頼れる何かがなかったというだけなのです。それが足りないばかりに、悪影響をもたらす事物に頼り、家族にも地域にも職場にも迷惑をかけ、自身をも傷つけていき、果てには、もっと満足できたであろう自分の人生を破綻させてしまうことになります。思っているよりも、ずっとすぐそばに「死」が待ち受けているのが、こころの病の特徴です。
この経験を踏まえ、様々な文献を読んだ結果、私はいま分かっていることが2点あります。
一つ目はこころの病で悩んでいる方々は、周りに存在を肯定してくれる存在がいれば、多くの場合、重症に至ることを防ぐことが出来たという仮説が立てられること。
二つ目は依存性をもたない、その人の状態にあった休養の指針を見出せば、それが予防にも治療にも活かすことが可能であると言うこと。なぜなら、精神科の病院に行き、投薬治療のみをすることが必ずしも最良の回復(寛解)方法だと断言できないからです。
こころの病の可能性がある方々は自分を病だと認めたく無いなどの理由から、ほとんど唯一の解決行動となりうる通院さえも拒みます。病院へいくことで、「敗北感」を感じます。精神科病院には、背景に診療報酬の問題があるため、少しでも病の可能性があれば、いたずらに薬を処方する医師もおり、それによって病気の進行が助長されたり、自死を誘発される可能性も含んでいます。私は、この病に向き合って生きやすい方法を持つためには、「敗北感」を感じることない、通院を支援するような方法を創れないだろうかと考えてきました。
一人でも多くの方が幸せに生き続けるためには、普段から実生活の中で、気軽に頼れるこころの寄りどころを持ち、適度な休養を取りながら、前向きに生きることをサポートできる基盤を備えることが重要であると考えます。
一人ひとりを支える機会を増やしていくことで、個人として自分の存在への自己肯定感を持つことができ、相手とお互いを肯定し合う環境をつくることができます。その延長上として、第一に人の存在を肯定し合える社会を創ることが、この問題解決のために必須であると考えます。
非医療者でも、近くに居るからこそ、出来る支援をはじめていきます。
NPO法人Light Ring.代表理事 石井 綾華