Light Ring.マガジン
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当法人ではこれまで、さまざまな事業を通じて、悩みを受け止める子どもや若者の「支え手」を総合的に支援してきました。本記事では、14年以上の事業活動における支援の好事例をケースに分けてご紹介します。
【ケース1】「支え手」のバーンアウト防止
オープンチャットを通じて、「支え手」のバーンアウト防止につながった事例。
支えている相手
ネットで知り合った友だち
概要
オンラインコミュニティ内のピアスタッフや同じ境遇の参加者からの労りの言葉が支え手の孤独感をやわらげました。また、アドバイス等によって相手の状態を穏やかに受け止める適切な支え方を会得し、コミュニティを卒業されました。

支援のポイント
当法人のオープンチャットは、「支え手」同士が日々の悩みや困りごとをコメント・サポートし合うオンラインコミュニティです。オープンチャットを通じて、希死念慮当事者を支える際に重要な自他境界の確立を支援することで、「支え手」のバーンアウト防止につながりました。
【ケース2】自殺未遂への支援介入
オープンチャットを通じて、希死念慮当事者の自殺未遂への支援介入につながった事例。
支えている相手
ネットで知り合った友だち
概要
支えている相手が自殺未遂に及んだと思われる連絡を確認し、警察に連絡。警察が自宅に駆け付け、同居中の両親に自殺未遂をしたことが伝わり、後日、医療機関につなげられました。オンラインコミュニティへの参加によって、支え方・専門機関へのつなぎ方を把握していたため、適切な対応を取ることができました。
支援のポイント
オープンチャットは、当法人の公認心理師やピアスタッフがコミュニティリーダーとなり運営しています。「支え手」の方の悩みに合わせて、傾聴の方法など適切な支え方のテクニックや、専門機関への適切なつなぎ方などについてアドバイスすることもあります。
本ケースでは、「支え手」がオープンチャットで得た知識を基に行動。身近な支え手だからこそできた適切なつなぎ方による希死念慮者の自殺の防止、及び家族の主体的なサポートの後押しにつながりました。
【ケース3】希死念慮者が復調し、自殺念慮を抱いた当事者経験を生かした支え手となることで好循環が生まれた
希死念慮を抱えていた方が「聴くトモプログラム」に参加したことで回復し、自らも当事者の視点を持った支援者となって、その後当法人のスタッフとして活躍するようになった事例。
このように、支え合いの循環が生まれ、参加者が自らの経験を活かして他者を支援することで、復調への道が開かれる効果が実証された。
※聴くトモプログラムは、当法人のピアスタッフと60分間カフェでお茶をしながら相談をするプログラムです。
概要
数年前に悩みを打ち明ける側として「聴くトモプログラム」に参加したMさん。病状が回復して生活が安定するようになった際に、自身の病気についてもっと知りたいと思い、関連資格を取得しました。
過去にLight Ring.に支えられていた経験を踏まえ、身近な人の悩みに寄り添う「支え手」を支援する活動に参画。当法人の事務関係およびオンラインコミュニティ運営スタッフとしても活躍してくれました。
支援のポイント
当法人のピアスタッフに相談することで、希死念慮を抱えていた当事者の状態が改善する一助となりました。さらに、回復後には当事者経験を持つピアスタッフとして活動し、支え手(活動参加者)が助けたい相手――例えば、友人や恋人の病状や本音をより深く理解し、言語化するサポートを行いました。この取り組みによって、支え手の対象者への理解が深まり、より効果的な支援が可能となりました。
このように、当事者経験を活かして自殺対策に貢献することで、支え手と当事者が相互に支え合う好循環が生まれ、支援の効果が一層高まりました。