悩みを抱える子ども若者の今
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国際的に見た子ども・若者の自殺の現状
世界保健機関(WHO)のデータによると、G7諸国における10〜19歳の若年層の死因として、自殺が第1位となっているのは日本のみです。また、20〜29歳の死因においても、自殺が第1位となっているのは日本とドイツの2カ国に限られます。

自殺の死亡率(人口10万人あたりの死亡数)を見ても、日本は10〜19歳で7.0、20〜29歳で21.3であり、G7各国の中で最も高いことがわかります。

本表は、2021年(令和3年)のデータを基に作成されていますが、厚生労働省「令和5年人口動態統計」においても、10〜39歳までの死因の第1位は「自殺」であることが確認されています。このことから、日本における子ども・若者の自殺率は依然として高い水準にあることが示唆されます。

日本における子ども・若者の自殺の現状
厚生労働省が警察庁のデータを基に取りまとめた統計によれば、令和5年における自殺者数は21,837人であり、そのうち10〜39歳の自殺者数は5,918人で、全体の約27%を占めていることが示されています。

中でも、小中高生の自殺者数は増加傾向にあり、令和6年(2024年)の自殺者数は、統計を取り始めた昭和53 年(1978年)以降、最多の529人に上りました。

子ども・若者の自殺が増えている理由
自殺の多くは「追い込まれた末の死」であり、さまざまな要因が連鎖する中で起こります。そのため、子ども・若者の自殺が増えている理由を一概に述べることはできません。以下は、あくまで統計から見える傾向です。
警察庁の「自殺統計」を見ると、10〜39歳の自殺の原因・動機で最も多いのは「健康問題」であることがわかります。中でも「うつ病」の割合は高く、健康問題のうち46%を占めています。

また、年齢階級別の内訳を見ると、周囲との人間関係に悩んだ末に、自殺に追い込まれる人が多いことがわかります。
10〜19歳の自殺の原因・動機で最も多いのは「学校問題」であり、「学業不振」や「進路に関する悩み」に次いで、「学友との不和(いじめ以外)」が高い割合を占めています。

20〜39歳の自殺者に関しては、「家庭問題」や「勤務問題」が主要な原因・動機として挙げられます。 中でも「夫婦や親子関係の不和」「職場の人間関係」などの割合が高い点は注目すべきです。


そのほか、他の世代と比較して、10〜39歳の自殺者において「交際問題」の原因・動機とするケースが多いことも、子ども・若者世代の特徴として挙げられます。

このように、日本における子ども・若者の自殺問題は、喫緊の社会的課題です。この課題に対し、当法人では社会課題を分析し、支援活動に活かす研究開発チームを運営しています。ご関心のある方、活動をご希望の方は、以下よりお申し込みください。
出典1〜 2:「令和6年版自殺対策白書」(厚生労働省)を基にLight Ring.にて作成
出典3:「令和5年(2023年)人口動態統計月報年計(概数)の概況」(厚生労働省)を基にLight Ring.にて作成
出典4〜10:「令和5年中における自殺の状況」(厚生労働省・警察庁)を基にLight Ring.にて作成