悩みを抱える子ども若者の今
一覧はこちら孤独・孤立の社会問題
「孤独」と「孤立」の違いとは?
孤独
「主観的概念」であり、ひとりぼっちであるといった精神的な状態。
孤立
「客観的概念」であり、つながりや助けのない状態。
イギリスの社会学者であるピーター・タウンゼント氏は、1950年代に行った調査(※出典1)で、孤独について「仲間づきあいの欠如あるいは喪失による好ましからざる感じを持つこと」、孤立について「家族やコミュニティとほとんど接触がないこと」と定義しています。
子どもや若者の多くは、家庭や学校など身近な環境があります。そのため、「家族やコミュニティとほとんど接触がない」という状況には当てはまりません。しかし、たとえ物理的や心理的に周囲に人がいても、周りに頼ったり相談したりできず、こころの中で孤独を感じていることは十分にあり得るのです。
コミュニケーション頻度が少ない人ほど孤独感を抱えやすい
内閣府が実施した「人々のつながりに関する基礎調査(令和5年)」によると、全年代のうち、孤独を感じている人の割合が最も高いのは20代と30代でした。

また、16〜39歳を対象にしたコミュニケーション頻度別の質問では、「直接会って話す」「SNSや電子メールなどをする」「電話 (ビデオ通話含む)する」のいずれの手段においても、コミュニケーション頻度が少ない人ほど孤独感を抱えやすいという実態が明らかになりました。



孤独感を抱えやすい子ども・若者は
不安や悩みを受け止めてくれる支え手を求めている
同調査において、16〜39歳を対象に周りからのサポート状況を尋ねたところ、孤独感を抱えている人は、「困った時に頼れる人がいない」「不安や悩みの相談相手がいない」と回答する割合が高く、不安や悩みをひとりで抱え込んでしまう状況にあることが明らかになりました。


また、16〜39歳のうち「不安や悩みの相談相手がいる」と回答した人に対してその相手を尋ねたところ、「家族・親族」および「友人・知人」の割合が圧倒的に高く、身近な人に「自分の気持ちをわかってもらいたい」「不安や悩みを受け止めてもらいたい」と考える人が多いことが分かりました。

当法人では、子ども・若者の自殺や、孤独・孤立、こころの病などのリスクにつながるような悩みに気づき、話を聴いて、必要な支援につなげるノンプロフェッショナルの「支え手(ゲートキーパー)」を養成しています。
また、「支え手」自身が心身の健康を保ち続けるために、必要とされる知識や援助技術、専門家へのつなげ方、セルフケアの仕方などを学べるプログラムを提供しています。
出典1:Peter Townsend, The Family Life Old People:An Inquiry In London, Routledge and Kegan Paul, 1957
出典2〜6:「人々のつながりに関する基礎調査(令和5年)」(内閣官房孤独・孤立対策担当室)を基にLight Ring.にて作成