Light Ring.マガジン
一覧はこちら支えるべきは当事者だけじゃない
「支え手」を“支える”ことの重要性とは
子どもや若者の自殺防止において、支援や対策は当事者であるその子どもや若者にフォーカスされるケースがほとんどです。しかし、実際には、当事者を身近で支える人の役割も重要。なぜなら、思い悩んだ時に当事者がまず相談する、気持ちを吐露する先は、友人や恋人であることが多いためです。
しかも、それは「一番仲のいい友だち」でないケースもあります。去年のクラスメイト、習い事の友だちなど、少し距離がある関係性の場合もあり、支える側の対応はより複雑化します。
友人や恋人の悩みを受け止める「支え手」側の悩みとは?
Light Ring.ではLINEのオープンチャット機能を使って、支え手としての悩みや相談を投稿いただき、私たち運営者や専門家に加え、支え手同士でその悩みに対してお答えしたり助け合ったりするプラットフォームを運営しています。
支え手側の悩み、というとあまりピンとこない方が多いかもしれませんが、これまで私たちが支援してきた子ども・若者世代の支え手の多くは、適切な知識や対応方法を知らないまま、命を支える重大な役割を突然担ってしまい、孤独感、悩みを抱えていました。
特に多いご相談は、次のようなものです。

身近な人のつらさに気付いたときに、どう声をかけるべきか分からないというご相談をよく受けます。「大切な人だから話を聞いてあげたい」「だけど自分が声をかけたことで悪い方向に向いてしまったらどうしよう」と、大切に思うがゆえに声をかけることに怖さを感じているのかもしれません。

最近では、SNSを通して相談をされるケースも多く、物理的に距離がある相手に対してどう支えるのがいいのか悩んでいる方も多くいます。また、距離がある分、相手の状況や様子、変化をリアルタイムに受け取れないことに不安を感じる支え手も少なくありません。

命に関わる内容の相談を受けたときになかなか断りづらく、支え手側が疲弊してしまうケースもよくあります。また、「誰にも言わないで」と言われるなど、支え手の孤立によってメンタル不調が生じることも少なくありません。
セルフケアを大切に。当事者との「適切な距離」を意識する
声かけや対応の仕方については、スタンプを1個送って反応を見てみる、ある程度日時を指定して「この時間なら話を聞けるからね」と相手に選択肢を提示してあげることが有効です。
相談を受けると「親身に対応しなければ」と責任感を感じて必要以上に寄り添いすぎてしまうこともありますが、セルフケアの観点からも、支え手は当事者と適切な距離を取ることを意識しましょう。
また、支え手自身が疲れてしまった時、つらくなってしまった時は「今は体調が悪い」と伝えたり、「体調が良くなったらまた話をしよう」など約束したりすることをおすすめします。約束によって話を聞く意思があることを表明でき、当事者側も次の機会があることで安心できます。
支え手が健全でいるためには、「うまく支えられないことで自分を責めない」ことが大切です。

日々このようなご相談を受けるたびに、適切かつ健全な支え方を広め、支え手の方が孤独を感じることがないように我々は活動・支援を行っていきたいと気持ちを強くしています。
オープンチャットは全国どこからでも匿名で参加が可能です。同じような悩みを持つ方、ぜひ私たちにその悩みを聞かせてください。
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